平城ぐるめ堂店主の
手前味噌寒仕込み奮戦記
(2002年12月5〜6日)
一 豆を水に漬けるの巻(昨日20:30〜11:00)
我が家で1番大きな鍋、そう最近買ったおでん用のステンレス鍋に大豆を全て放り込み一応BRITAの浄水器(写真上部)で塩素などを除去した水を満タンにしてこの日はおしまい。豆屋さんが大まかな人で、1kgと言ったんだけど1.08kgくらいは入っていた。まあ、誤差の範囲か。
二 大豆を煮るの巻(11:00〜16:00)
次の日はなぜかもたもたしていて、豆を水から取り出すのが遅くなり、14時間半後の11:00となってしまった。上の参考書では8〜12時間となっている。若干芯の方が白いような気もするが時間的にもこの辺が限度であろう。試しに豆をかじってみると、やはりあの懐かしい青臭い味がする。すっかり生の状態に戻っているのである。しかし何故懐かしいのだろう、いくら食べ物のない戦後育ちでも生の豆をかじっていた記憶はないのだが・・・
早速、このステンレス鍋をガスコンロに掛けようとしたが、これではふきこぼれることが明らかなので、圧力鍋を借用してこれにあけると何とかいけそうになった。まずは強火で一気に煮立たせると、ソフトクリームのような泡(あく?)がどんどん溢れ出し一瞬あせったが何とかそれも掬い出し、放っておくと徐々にあくが少なくなってきた。
この間あく取りで本当に忙しい。美味しい味噌をつくるための必須条件はこのあく取りをしっかりおこなう事である。どんな料理でもこれは同じようだ。圧力鍋はあく取りが出来ないから、材料にこだわった場合は極力避けたい。
あくの出方も収まってきたのでこの辺が変わり目と思い、ガスを弱火にして水切れの補給とあく取りに注意しながら煮込みを続け、次の仕事に取り掛かる。
三 こうじと塩を混ぜるの巻
大豆がことこと煮えている間に、こうじに塩を混ぜ合わせなければならない。このこうじは袋入りで結構ばらけているため、特別手でほぐす必要もない。大きめのボールにこうじをあけて、塩を振りかけ、両手で揉むように混ぜ合わせていく。すると、どうだろう、塩の作用なのか単に揉んだためなのか判らないが突然ものすごくいい香りがしてきた。フルーティーで、丁度本物の(ヤコマンなんかではないですよ)大吟醸酒を口に運ぶ時のような香りである。何か酒に酔ったような錯覚をし頭がフラッとしてしまった。なかなかいいこうじのようである。塩は結晶が荒いため混ざりやすいが、できるだけ時間をかけて満遍なく混ぜ合わせた方がよかった。ちょっと急ぎすぎたかもしれない。
四 大豆をつぶすの巻(16:00〜)
朝の11:00から煮込み続け、丁度大豆の柔らかさがよくなった16:00に火を消した。本では6〜8時間となっていたが、水に漬けていた時間が2時間ほど長めであるからこんなものであろう。豆は指でつぶしてみると本当に柔らかく焚けているようだ。
豆をざるに移して水を切るわけだが煮汁は後で必要になるから捨てないで残しておく。全く余談であるが、この煮汁少し舐めてみたら非常にうまい豆のだし(味)が出ている。この旨みが出てしまったのは何かもったいないような気がする。
次に、いよいよ大豆をつぶす工程である。道具としては、下のすりこぎしかないのでこれでボウルの豆をとんとん突くようにつぶして行く。本によればけっして粘りが出てはいけないということであるから、結構難しい。また力も相当必要である。マッシャ-があれば効率的なようだ。しかしフードプロセッサーだけは絶対×である。粘りが出てしまうからであるそうな。
五 大豆とこうじを混ぜるの巻
先に用意しておいたこうじをいよいよ大豆に混ぜていく作業である。ボウルの大豆にこうじを少しずつ加えて手で握りつぶしながら混ぜていく。写真は片手であるが、もう一方はカメラを持っているためである。殆んど水けのないこうじを大量に大豆に加えていくから当然であるが、大豆に弾力が備わっていき底の方まで混ざりにくくなる。ここで先に残しておいた煮汁の出番が来る。これを適量大豆に混ぜて柔らかくしながら、こうじをどんどん混ぜていく。
さすがに1.5kgのこうじを混ぜていくと分量が二倍ほどに増えてしまった。そこで大豆を半分、先ほど塩こうじ用に使っていたボウルに移してやる。丁度大豆が二倍に増えた勘定である。
六 大豆をかめに入れるの巻
上の参考書では、塩こうじを作るときにやるように書いてあった作業だが、ここで容器の丸壷の内部と蓋の内側を焼酎で消毒してやる。味噌玉を放り込む直前に消毒する方がなんとなく効果的ではないかと思うからであって、大差ないかもしれない。また当然、この丸壷も工業製品であるから、一連の仕込み作業に入る前に中を水洗いしてから天日干ししておいてやった方が安心であろう。
手もついでに消毒されたであろうから、いよいよ味噌玉を作ってかめに投げ込む時がきた。これは、空気をできるだけ抜くのが目的であるから勢いよく投げつけなければならない。そう、制球のよさが求められるのである。
全部の大豆が放り込まれたら、大豆のでこぼこを手のひらでたたきながら平らにしていく。空気を抜くと言う気持ちが大切である。
七 かめの蓋をするの巻
先ほどの焼酎で再度、かめの内壁と蓋についている大豆のかすを綺麗にふき取ってカビの原因を作らないようにする。そして、参考書に書いてあるとおりサランラップ(商標?)で表面を覆い、カビよけの塩をその上に隙間なくのせておく。この塩は何でもよく1kg100円くらいの食塩でOKである。これで3ヶ月後(天地返し)まで拝めないのであるから、名残を惜しみながら蓋をする。
八 出来上がりの巻(〜18:00)
空気が入らないように紙をかぶせて長かった大豆との戦いも終わりである。後々の世話のためにも仕込んだ日付を入れておいたほうが良い。かめのズッシリした重みがえもいわれぬ満足感を与えてくれる。<つづく>