日本の伝統調味料

平城ぐるめ堂 ならぐるめどう

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店主のぐるめ道場

米味噌仕込み-最終回

平城ぐるめ堂店主の
手前味噌寒仕込み奮戦記−その4

(2003年11月18日)

一 かめに被せた紙も草臥れての巻
 夏に二度目の天地返しをしてから早いもので、もうじき4ヶ月。昨年の12月にこれを仕込んでから、あと20日で丸一年になる。こうじ歩合20割の味噌は今年の春仕込んだものでも結構味噌になっていたのだが、塩分もやや多めでこうじ歩合も15割ということもあり、1年掛けてしまった。
 被せていた新聞紙もやや黄ばんできており、1年という歳月の過ぎたことを物語っている。
 恒例の体重測定の結果は、約9.0kg。夏より0.2kgやせてしまった。正味は3.9kgということになる。体重なら嬉しいのであるが、何か損したような気になる。切り返しのたびに味見もしたがそれほど減るはずもなく、水分が自然に蒸発したとしか考えられない。気を取り直して開封にかかる。



二 ふたを開けるの巻
 かめの外側には大してカビも生えておらず、前回よりは安心してふたを開けられたがやはり緊張の瞬間である。夏と同じく、とても華やかな味噌の香りが辺りに充満する。若干アルコールも出来ているようで安堵感と重なって頭がふらっとする瞬間である
 色は赤味が強くなっており、熟成を物語っている。これはアミノ酸と糖が化学変化を起こし褐色の色素を生成する、所謂メイラード反応と呼ばれているやつである。一般に食品の劣化や、人体の高齢化の過程でも起るとのことで、好ましくないはずの現象なのであるが、こと味噌に関しては熟成の証で、良い事なのである。この辺が難しいところである。



三 塩をはがすの巻
 塩がこぼれないよう注意しながらサランラップを剥がしていくと、徐々に美味しそうな味噌の表面が全容を現した。所々に白い斑点のようなものが出来ており、カビか!と思った。が、よく見るとどうやらこうじがそのまま変色せずに残っていた模様で一安心。



四 切り返しと味見をするの巻
 味噌を混ぜ返すと、内部で場所によりかなり色が違うことに気付く。やはりこうじと塩の混ざり具合や、過去の切り返しのむら等により熟成の度合いが均一でないことによるものであろう。切り返しはやはりしっかり丁寧にやらなければならないことをあらためて知らされる。
 さて、肝腎の味である。上述の通り香りは最高にいいが、味の方は塩分のまろやかさにおいて未だまだ熟成の余地があるようだ。
 


五 可愛い子には旅をさせろの巻
 
もう十分食べられるのであるが、欲張りな店主はさらにマイルドな味噌であってほしいという思いが断ち切れず、さらにもう数ヶ月熟成の旅に出てもらうことにした。可愛い子には旅をさせろということか?



六 再びラップと塩を被せてふたをするの巻

 味噌の上面を平らにし、先ほど剥がしたサランラップと塩を被せ、周囲に隙間が出来ないように念をいれて塩を押し、ふたをした。

 長い間この味噌仕込み奮戦記をお読みいただきありがとうございました。
 もし、これを読んで「簡単じゃん、自分も一度挑戦してみるか!」と奮起された方が一人でもいらっしゃれば望外の喜びです。成功を祈ります!・・・<完>

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